食文化館の出来事

企画展示番外編「鯛の体の不思議」を開催中です!

食文化館では、企画展示「杉田玄白没後200年記念展示―江戸の養生と食文化―」の番外編として、「鯛の体の不思議―『解体新書』魚編―」が開催中です。

鯛の体をよく観察すると、とてもおもしろい特徴があります。本展示では、鯛の体の仕組みと古くからの言い伝えについて、鯛の写真やぬいぐるみ、江戸時代の魚図鑑で紹介しています。

鯛の骨にまつわるユニークな言い伝えが、「鯛の九つ道具」です。
現在でも、鯛の形をした骨「タイのタイ」を知る人は多いかもしれません。江戸時代末期の魚類図鑑『水族写真』によると、このタイのタイ(鯛中鯛)など九つの骨を持つと福を得ると書かれています。当時から「我が国の魚の長」と呼ばれ、現在もハレの食事に登場する鯛ならではの伝承です。展示コーナーでは、九つ道具にあたる骨の一部もご覧いただくことができます。

また、かけはしサポーター(館の運営ボランティア)が制作した、鯛の体の仕組みを学べるぬいぐるみも設置しています。
ぜひ、手にとって遊んでみてください。

丁稚ようかんのふるまいを行いました!

食文化館では24日の土曜日、丁稚(でっち)ようかんのふるまいを行いました。
丁稚ようかんは若狭地域に古くから伝わる冬の名物で、口当たりのよい甘さの和菓子です。
寒天と小豆あんで作り、水は小浜市一番町船溜まり横の井戸から湧き出す「雲城水」(環境省選定・平成の水百選の一つ)を使うこともあります。

「丁稚」の名の由来は、①いつでも気軽に食べられ、丁稚(奉公人)にも買えるほど安い、②丁稚奉公に出ている人が高価な練りようかんの代わりに里帰りの土産にした、③あんを練り上げることを「でっちる」(こねる)と呼んだ、などの説があります。

当日はあいにくの雨でしたが、たくさんのお客様がふるまいに足を運んでくださいました。
丁稚ようかんで若狭の冬を実感した一日になりました。

勢関が来られました!

2月17日は、若狭町とゆかりの深い勢関にご来館いただきました。
お箸のコーナーで、興味深く足を止めてご覧いただきました。
若狭塗の職人さんと笑顔で記念撮影させていただきました。
写真や映像で見るよりも大きくて、爽やかで優しい勢関に、急に館内がパッと華やかになり、すっかり魅了されたひと時でした。
ぜひ、またご来館ください。

小豆粥のふるまいを行いました!

食文化館では、1月14日、小豆粥のふるまいを行いました。
小豆粥は1月15日の小正月に、年中の悪い気を払うために食べるお粥です。古くは平安時代の『土佐日記』(承平5年〈935〉1月15日条)などにみえます。望の日(もちのひ。陰暦15日の満月)にちなみ「かゆ柱」と呼ばれる餅を入れる地域もあり、食文化館のふるまいでもお餅を入れたものをふるまいました。

江戸時代、東西の風俗を比べた『守貞謾稿』(喜田川守貞著)には、「京都と大阪では、あずきがゆには塩を加えて炊く。江戸は塩を加えず、専ら白砂糖を加えて炊く。江戸では粥を食べ慣れないために甘みをつける」とあります。

当時行われた風俗調査にも小豆粥の項目があり、小浜は「変わったことはないが、この粥を少し残しておいて、十八日に桜がゆ或いは十八粥といって祝う」と報告しています(『若狭国小浜領風俗問状答』)。これに似た風習が現在の若狭地域にも残っており、神仏に供えたあと、小豆の汁が出たお粥を「あかのかゆ」といって、十八日まで少し残しておいて食べる家もあるようです。

寒い日が続き、当日は雪も積もった小浜でしたが、多くのお客様がふるまいに足を運んでくださいました。
小豆粥を食べて、この一年を健康で過ごしたいですね。

七草粥のふるまいを行いました!

1月7日、食文化館では七草粥のふるまいを行いました。
春の七草は、セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロという7種類の野草です。行事としては七日正月に七草などを入れたお粥を食べる民俗行事のことで、食べると邪気を払い無病息災、長寿を得るといわれます。

江戸時代は実際に入れるのは1、2種類だったようで、1月6日には材料の「なづな」を売り歩く人々もいました。現在でも七草はナズナを指す地域もあるようです。食文化館のふるまいでは、お粥のなかにお餅も一つ入れました。

当日は3連休中日ということもあってか、開始から長蛇の列となり、ふるまいは20分ほどで終了となりました。
2018年も無病息災、健康で1年を過ごせるといいですね。

四季と行事食「冬至と運のあがる食」

12月22日は、二十四節気のひとつ、「冬至」です。
一年で最も夜が長く、昼が短い日とされていて、この日を境に、少しずつ昼の時間が長くなると言われます。

冬至に食べるものといえば、かぼちゃ「なんきん」ですね。
冬至には、なんきん、こんにゃく、にんじんなど、「ん」のつく食材を食べると、運が巡ってくると言われています。

小浜市松永地区には、冬至に、小豆とこんにゃく、里芋を、砂糖と醤油などで甘く煮た「いとこ煮」を食べる風習があります。

小豆や里芋が体を温めるだけでなく、こんにゃくで運もつく「いとこ煮」。
しっかり食べて、体に沢山の運を取り込みたいですね。

※以上の内容は、12月11日にチャンネルOの番組「四季と行事食」(食文化館監修)として放送されたものです。

高鳥重郷氏の蕎麦打ち教室が開かれました!

食文化館では、小浜市の食の達人・高鳥重郷氏による蕎麦打ち教室が開かれました。定員いっぱいの賑やかな雰囲気のなか、参加者の皆さんは、ご家族やご友人と力を合わせて取り組んでいました。

途中「難しい」という声もありましたが、高鳥氏や食文化館ボランティアのグループマーメイドによる補助もあり、どのグループも大変きれいに完成させていました。

完成したお蕎麦は、大根おろしとネギをのせて試食したり、持ち帰ったりされました。
これで自宅でも蕎麦打ちができそうですね。

かけはしサポーターがへしこの樽出し&なれずし作りを行いました!

食文化館では、運営ボランティアのかけはしサポーターが、鯖のへしこの樽出しとなれずし作りを行いました。

「へしこ」は、塩漬けした鯖を糠と塩で再度漬け込んだ保存性の高い発酵食品です。一夏(丑の日)を越し、半年以上漬け込んだものを製法の定義とします。
4月の本漬けから半年、かけはしサポーターのへしこは大変まろやかに仕上がり、樽出し作業後のお昼ご飯は、へしこがメインのおかずになりました。

完成したへしこは、すべて食べずに「なれずし」にします。糠を落として酢洗いした鯖の一つ一つに、麹を混ぜた飯を詰めて、樽に戻しました。
小浜の「なれずし」は、「へしこ」を塩抜きにして、飯と麹で再度漬け込むのが特徴です。生魚や塩漬けの魚ではなく、糠漬けしたものを使うことと、多めの麹を用いて短時間で漬け込むことから、旨味と甘みが強く、酸味が少ない仕上がりになります。

なれずしの樽出しは12月の予定です。美味しいなれずしを期待しましょう。

2017鯖のまちフェスタ in 若狭おばま海の駅が開催されました!

当初は10月21日(土)、22日(日)の二日間を予定していましたが、あいにく二日目の22日は、台風21号の影響により、本多京子先生を迎えたキッチントークショーを除いて中止となりました。

21日は終日曇り空ではありましたが、強い雨風はなく、県内外から出店した飲食店やイベントで大変盛り上がりました。飲食店はへしこやなれずしはもちろん、鯖のサンドイッチや鯖の釜飯など鯖を使った様々な料理を販売し、店頭は常に来場者であふれていました。

また、会場ステージでは、鯖(さば)にちなみ、毎時「38」分に、鯖イベントが催されました。メモリを見ずにぺっちん(若狭塗り箸の切れ端)を380グラム計る「ぺっちん380g当て」ゲームや、鯖への愛情を会場に向かって叫ぶ「鯖街道の起点で鯖愛を叫ぶ」では、参加者が賞品をめぐり競っていました。

ステージイベントは鯖イベントだけでなく、市内の小中学生が、部活動や調べ学習の成果を披露してくれました。小浜中学校、小浜第二中学校の吹奏楽部の演奏は雨雲も吹き飛ぶほどの勢いがあり、来場者は鯖料理を食べながら聞き入っていました。雲浜小学校と今富小学校の生徒は小浜の魅力を全国に伝える方法のアイデアを発表し、さばトラななちゃんの家族や、小浜で一日を過ごす「鯖づくしツアー」を提案してくれました。

22日は、NHK「きょうの料理」でもご活躍の本多京子先生(医学博士・管理栄養士)のキッチントークショーが開かれ、台風が近づく悪天候でしたが、多数の参加者が食文化館キッチンスタジオに集まりました。本多先生は新しい鯖料理をご紹介しながら、鯖をはじめとした魚の栄養素や塩分の摂り方など、日頃の食生活で工夫できることをお話ししてくださりました。

台風に負けない、若狭おばまの鯖への情熱にあふれた二日間でした。

かけはしサポーターがお月見の飾り付けを行いました!

食文化館の運営ボランティア、かけはしサポーターが、十五夜のお月見の飾り付けを行いました。

十五夜は旧暦8月15日の夜のことで、今年は10月4日に当たります。十五夜の月は仲秋の名月とも呼ばれ、全国的に月見の夜とされています。

月見は秋の収穫を祝う行事でもあるため、芋、豆、栗などを供える地域もありますが、主なお供え物は団子です。食文化館は、「十五夜」の数字に合わせて15個の月見団子をお供えしています。月見団子の隣には、ススキのほか、秋に咲く花々を飾っています。

ぜひ食文化館にお越しいただき、ご覧になってください。