地域

岡津製塩遺跡(おこづせいえんいせき)

 本遺跡は昭和53年と昭和54年に発掘調査を実施しました。若狭地方には土器製塩遺跡が50ヶ所確認されているが、本遺跡はそれらの中でも、極めて保存の良好なものとして、香川県の喜兵衛島の製塩遺跡と共に国の史跡に指定されました。(指定範囲4,981平方メートル)

 本遺跡は、古墳時代後期~奈良時代にかけてのもので、若狭の製塩土器の編年からは、
浜禰ⅡB式・岡津式・船岡式のそれぞれの時期に属します。石の敷き詰めた製塩炉跡は、
岡津式(1号炉~4号炉)、船岡式(5号炉~9号炉)の合計9基検出しています。
さらに現海岸線より約20m奥に海岸部遺構(護岸)、その東に南北約30m、東西約10mの範囲の性格不明の焼土面が検出されています。
古代の土器製塩工房跡の全容を示す遺跡といえます。

 若狭で生産された塩は、奈良の都へ税(調塩)として納められており、このことは藤原宮や平城宮出土の若狭からの送り状(木簡)が物語っています。

【岡津区】