◆重要伝統的建造物群保存地区とは◆
昭和50年の文化財保護法の改正によって伝統的建造物群保存地区の制度が発足し、城下町・宿場町・門前町など全国各地に残る歴史的な集落・町並みの保存が図られるようになりました。
町並みの保存のため、市町村が伝統的建造物群保存地区を決定し、地区内の保存事業を計画的に進めるため、保存条例に基づき保存活用計画を定めます。
国は市町村からの申出を受けて、我が国にとって価値が高いと判断したものを重要伝統的建造物群保存地区に選定しています。
◆小浜西組伝統的建造物群保存地区の概要◆
平成20年6月9日、小浜市小浜西組伝統的建造物群保存地区(約19.1ヘクタール)が国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されました。
小浜は、古くから若狭の中心地であり、中世の頃には京に最も近い日本海側屈指の湊町として繁栄していました。大永2(1522)年には若狭武田氏が後瀬山城を築き、山麓には居館を配置し、町を整備しました。
江戸期になると、京極家が小浜城の築城を開始し、これを中心とした町づくりを進め、中世の頃には武家と町人が混在した小浜の町は町人地として整備されることになり、東・中・西の3組に分けられました。
現在、小浜西組で構成される町並みは、現存する明治4(1871)年の地籍図とほぼ同じ形態であり、茶屋町だけでなく、丹後街道を基軸とした町割全体が評価されています。
小浜西組地区には、町家、離れ(付属屋)、土蔵、寺社建築物、西洋建築等、様々な建物があり、明治21(1888)年の大火以降の建物が主体となっています。
◆小浜西組の町屋の特徴とは◆
小浜西組の町家には、次のような特徴があります。
・京都と同じように「ウナギの寝床」のように間口が狭く、奥行きが長い。
・土葺きの若狭瓦(小浜市の伝統的な瓦。現在は残念ながら生産されていません)
・防火壁となる袖壁(袖うだつ)
・ベンガラ格子
・井戸のマーク(大正期、火事の際に井戸があり、消火活動を行える家を示した。)
・土蔵は海鼠・漆喰・板張等の壁で、屋根には波が立った立浪型鳥衾が施される。
・商家町では表から主屋、付属屋、土蔵の構成が多い。
・茶屋町では土蔵の代わりに、奥に茶屋建築の意匠をあしらった離れが建っていることが多い。
◆伝統的建造物とは◆
・小浜西組伝統的建造物群保存地区保存計画に掲載された建物です。
・概ね昭和30年以前に建てられた、小浜西組の伝統的な様式をもつ主屋や付属屋、土蔵
等、地区の歴史的な景観を保つために重要と認められる建物です。
・所有者の同意のもと、専門家による調査、小浜市伝統的建造物群保存地区保存審議会等に
よる審議を受け、伝統的建造物に特定されると上記の計画に掲載されます。
・令和6年3月1日現在、全国で5番目に多い278棟の建物が伝統的建造物に特定されています。
◆小浜西組地区内における補助制度・現状変更行為の許可申請について
詳細に関しましては、下記の関連ページより、ご確認ください。
◆小浜西組 重伝建地区選定10周年記念報告書◆
国の重要伝統的建造物群保存地区に小浜西組が選定されてから10周年の節目を記念し、平成30年6月10日に記念事業を実施しました。
これを受けて、平成31年3月に10周年記念事業の様子と町並み保存の歩みをまとめた報告書を刊行しました。
多くの方に、小浜西組伝統的建造物群保存地区について知っていただくため、報告書を公開いたします。
*報告書記載内容の転載等についてはこれを禁じます。
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