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福島弘有喜


旧古河屋別邸


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指 定 所在地 管理者
平成10.4.24 県指定 小浜市北塩屋 福 喜


 若狭小浜の海の雄、古河屋は松前の海産物や東北・北陸の米等を小浜へ、そして京阪へ集散する回船問屋を本業とし、酒、醤油の醸造、金融業を兼業し、藩の御用達をつとめる豪商であった。
 この建物並びに庭園の築造は、古河屋の全盛時代のものであって、文化12年(1815)で5代目古河屋嘉太夫の時である。
 式台から杉戸をあけると書院は2室からなっていて、床の壁は貼付壁画で、襖絵、杉戸絵、地袋の絵は狩野一門のものである。
 建築材料は天井を始め障子の棧に至るまで杉の柾目で、柱全部が杉の四方柾を使用している。建築様式の特異な点は、庭を広く見せるために緑の角にあるべき柱が取除かれていることで、これは高度の建築設計によるもので現代でも珍しいものである。
 庭園は小浜藩主お成りのために築庭されたもので、若王子山を借景として蓬莱式書院庭園で、大小の松の多いところから護松園とも云われている。この庭園は藩主を迎えるにふさわしい風雅にして格式ある庭園で、当時の豪商の面目躍如たるものがある。