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小浜市


奉納船と神体船 7件


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指 定 所在地 管理者
平成21.8.21 市指定 市内各神社 市内各神社


 小浜市では各地の神社で奉納船が認められる。10分の1から20分の1ぐらいの木造模型で、船大工によって造られたものが多い。
 一方で、和船が描かれた奉納絵馬も数多い。奉納船の存在を論じるとき、奉納絵馬との関連を無視することはできない。いずれも「海上安全」や「漁業安全」を祈願しての奉納物であることは、いうをまたない。そして、どちらかというと絵馬の方が簡便に奉納ができ、個人が奉納の事例も多い。
 それに対して船模型は、大がかりになり、氏子や船団が奉納する事例が多い。
 若狭地方では、奉納船の分布が顕著であり、とくに小浜市内にその密度が高い。比較的、保存がよい状態で、6神社で7船の事例が確認できる。
 特筆すべきは、奉納船が神体船として船玉神社に祀られていることである。7船中5船(4神社)がそうであり、これは他地方にあまりみられない伝承である。
* 弁才船模型(海幸丸)=若狭彦神社所蔵(遠敷)
   若狭の奉納船の中ではもっとも古く、船全体の反りが少ない優美な船型。
* 弁才船模型=春日神社所蔵(阿納)
   船型としては古式で、金具等は毛彫を施すなど装飾性の高い和船模型。
* 弁才船模型(弁天丸)=宗像神社所蔵(北塩屋)
   極めて装飾性の高い船模型。天保4(1833)年の製作。
* 弁才船模型(金毘羅丸)=金毘羅神社所蔵(北塩屋)
   船型は垣立が高い。文久3(1863)年の製作。
* 弁才船模型(天王丸)=広嶺神社所蔵(千種2丁目)
   美しい菱垣や、伝馬込みがないなど、奉納して祀るための形式。
* 弁才船模型(津嶋丸)=八幡神社(小浜男山)
   「おおぶね大工」(津島の船大工集団)の手になるとみられる。
* 弁才船模型=八幡神社
   明治40年(1907)「上廻り新造り」。津島の船大工・河内久兵衛製作。