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多田寺


多田寺本堂 1棟


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指 定 所在地 管理者
平成15.5.6 登録 小浜市多田 高野山真言宗多田寺


 多田寺は天平勝宝元年(749)に孝謙天皇の勅命により勝行を開基として創建されたと伝える真言宗寺院で、本尊の薬師如来(国指定)は古くから「多田の薬師」として人々の信仰を集めている。
 本堂は文化4年(1807)再建の入母屋造桟瓦葺で正面を五間、側面を六間とし、一間の向拝と四周に擬宝珠高欄付の切目縁を持つ。三間×三間の内陣前に三間×一間の礼堂を設け、周囲に幅一間の庇を廻す形式で、天井は庇を化粧屋根裏、礼堂を組入天井、内陣を猿頬天井とし、内陣奥の須弥壇上部は折上格天井としている。内外陣境と前面、内陣側面前部分に虹梁を架けて礼堂前面の4本と内陣両脇の手前1本の柱を省略し、外陣、内陣を広くしている。
 多田寺本堂は若狭地方の中世密教系本堂のうち、羽賀寺本堂の発展形式と見ることができる。各種の細部意匠も近世らしさを持ち、若狭地方では遺構の少ない近世密教系本堂の中でよく整った好例である。