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小浜市


太興寺古墳群


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指 定 所在地 管理者
昭和50.1.28 市指定 小浜市太興寺 小浜市


 JR小浜線の新平野駅の西に位置し、平野部の水田中に5基が点在している。通称「七ツ塚」とよばれ、小浜線の車窓からも見学できる。
 いずれも6世紀後半に属する古墳時代後期のもので、以前は全て円墳と考えられていたが、最近の調査から第4・5号墳には前方後円墳の可能性が出て来た。第1号墳は小浜線の線路のすぐ南側、新平野駅寄りに位置し、古墳の直径9m、高さ1mあり、線路をはさんで、その北方に第2号塚(通称松塚)があり、古墳の直径17.5m、高さは2.6mを測る。第3号墳は最も北方にあり、直径15m、高さ1.8mである。第4号墳は最も西方、塚本義男氏宅の近くに位置し、水田中の畑地にあり、直径12m、高さ1mの墳丘が認められる。第5号墳は第4号墳の北東に位置し、古墳の直径14m、高さ3.6mを測る。
 主体部の発掘調査は実施されていないので、内部構造、副葬品等は不明であるが、墳丘の土取りがなされ、かなり削りとられている。第5号墳は横穴式石室の存在が考えられるが、あとの古墳については石室の有無も不明である。本古墳群にはいずれも円筒埴輪が伴い、破片がかなり散布している。この種の古墳に埴輪が伴うのは珍しい。
 本古墳群は、土地改良の際、地区の総意で保存が決定され、第3号墳は分筆の関係でどうしてもこの上に農道をつくらねばならず、古墳に沿って迂回する道がつけられ、「曲げられた農道」のある古墳として本市の文化財保護の象徴的な道として特記に値しよう。