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明通寺


木造深沙大将立像 1軀


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指 定 所在地 管理者
昭和16.11.6 国指定 小浜市門前 真言宗御室派明通寺


 国宝建造物で有名な明通寺本堂の内陣厨子、向って左側に侍立するのが深沙大将である。降三世明王と共に、本尊薬師如来の本来の脇侍ではない。
 深沙大将とは、天部に属する護法神の一つであり、インド固有の神々が仏教世界に吸収されて、このような猛々しい形相に表現されたものである。
 像高256.6pの大作で、炎髪は天を衝き、頭にはドクロを戴き、腹には女性の首を挿し、左手に蛇をもち、右手は戟を取っている。
 深沙大将は『大唐西域記』で知られる玄奘三蔵が、苦難の陸路天竺行のとき出現して一行を守護したと伝え、また、多聞天の化身ともいわれる。
 わが国においては大般若経の守護神として、大般若十六善神とともに画かれるが、独尊像として彫られることは稀であって、重要文化財の彫像としては美濃の横蔵寺、丹後の金剛院とともに全国で3体である。
 本像制作の時期は、並び立つ降三世明王像と同様12世紀後半であって、その頃の大作として著名なものである。