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国分寺


木造釈迦如来坐像 1軀


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指 定 所在地 管理者
昭和50.1.28 市指定 小浜市国分 曹洞宗国分寺


 若狭国分寺の本堂左手に薬師堂があり、堂内須弥壇に安置される本尊、重要文化財、木造薬師如来坐像の向って左に釈迦如来坐像1軀が、さながら脇侍仏のように奉安されている。
 しかし普通、薬師の脇侍は日光・月光、釈迦は文殊・普賢、阿弥陀は観音・勢至の各菩薩を脇侍とし、如来像を随侍させる例はない。恐らく廃絶した寺坊の主尊を故あって移したものと思われる。
 桧材の寄木造りで、温雅で近世のとれた円満な像容、停滞のない自然な依文の彫法などからみて、ともに平安時代末様をうけた鎌倉前期の制作と推定できる。但し漆箔ならびに光背、台座は後補である。
 像高85.7p、説法印を結び、胎内に「元禄六癸酉歳霜月八日、当村居関喜太夫、再興施主当寺中興月船玄桂、当村与左右門、久右門、若国分村尼寺庵主霊鏡玄心代」と朱書の修理銘があり、また背板の裏面には六体仏が墨線書されている。
 記される銘文から元禄6年(1693)篤信者によって修理されたことを知るとともに、過去、現在、未来の三世にかけて悲願を託した人々の切ないまでの心情を偲ぶことができる。