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国分寺


木造薬師如来坐像 1軀


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指 定 所在地 管理者
明治34.8.2 国指定 小浜市国分 曹洞宗国分寺


 若狭国分寺跡の方二町の広大な寺域の中に、南大門、中門、金堂、講堂、塔などの伽藍が整然と配置され、奈良仏教文化の繁栄をうかがい知ることができ、若狭の文化的中心であったことが解明された。
 その一角に近世建築の薬師堂がある。ここに奉安の本尊薬師如来は、寺伝によれば春日仏師の作と伝えるが、明らかに鎌倉時代の特色を示している。
 若狭地方切っての完好豊麗な仏像であって、上半身の整った美しさと、胸から腹部にわたるふくよかさは人間味が豊かである。官能的な写実ともいえよう。またいかにも素直な線で構成する眉や眼、そしてその彫りは、明快で少しも渋滞するものがない。
 この像は素地仏であるだけに、木彫独特の清潔な質感にあふれていて、各部に鋭い刀のさばきが示され、特に充実した肉どりの豊かさには時代の特色がよく示されている。像高79.7p。
 構造は、頭部は前後2材を矧いで作り、首枘で頭部と胴部を矧ぎ寄せ、胴部も同様に前後2材を寄せてつくられる。膝前の内刳部に墨書があり、元禄6年(1693)に尼寺庵の住職であった玄心によって、尼寺庵の本尊として祀られた旨を記しているが、それ以前は若狭国分寺の旧像と考えられる。