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萬徳寺


絹本著色弥勒菩薩像 1幅


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指 定 所在地 管理者
明治34.8.2 国指定 小浜市金屋 高野山真言宗萬徳寺


 弥勒菩薩図像は弥勒浄土変相図や弥勒来迎図など幾種もあるが、本図のものは一般像に属していて、円窓中に弥勒が安坐して衆生済度にあたらんとしている図像ということが出来る。
 弥勒菩薩は慈氏菩薩といって、諸経典には必ずその名の出てくることは諸菩薩中で弥勒を第一とする。実在の釈迦の弟子としてその化導を受け、未来必ず成仏するという授託を受け、現に兜率天にあって衆生を摂化しているという。釈迦が入滅してから56億7千万年の後には、人間の住む娑婆世界に降りてきて、釈迦の化益にもれた一切衆生を済度する任務を持っていると考えられるのがこの仏さまである。
 したがって我が国でも早くから信仰され、京都広隆寺弥勒菩薩思惟像をはじめ、奈良時代までの造像は半跏思惟形をとっている。太良庄・正林庵の菩薩像がそれである。
 宝塔を持って坐っているこの画像には、製作された鎌倉時代以来、手が加えられていないところに特別の価値がある。金線をもって画かれていて見事ではあるが、時が経るままに目鼻の線がはく落して、その張りをやや欠くに至っていることは惜しまれる。絹本著色で国指定を受けている逸品は、高山寺、醍醐寺など僅かに過ぎない。
 画絹の法量は縦93.1p、横52.7pである。