若狭小浜のデジタル文化財 TOP 文化財とは デジタル文化財図録 - 用語解説 文化財マップ 小浜の歴史 文化財年表 戻る
小浜市


検見坂古墳群


※画像クリックで拡大写真



<IMG src="map/kenmizaka.png" width="250" height="200">
指 定 所在地 管理者
昭和50.1.28 市指定 小浜市遠敷 小浜市


 検見坂一帯は古墳群の密集地帯であり、まさに若狭の「古墳公園」といえる。山の尾根から山麓にかけて、現在までに円墳が49基、横穴が48基確認されており、古墳の年代は、全国的に群集墳が作られた古墳時代後期6世紀後半に求められる。
 湯谷地区に最も密集が著しく、山麓に横穴が並び、その背後から山の尾根に円墳が点在している。また神通寺北方の円墳は、横穴式石室が古くから開口しており、石室の中が見学できる。
 横穴は、山麓斜面の軟質岩山を掘削して羨道、玄室の内部構造を構築しており、横穴の入口(前庭部)にかなり手を加えたものもある。若狭地方で横穴は極めて珍しく、市内平野区に2基確認されているが、検見坂の群集は珍しい例である。
 武者が谷地区の横穴8基は、昭和48年土取りに伴う緊急発掘調査で内6基調査した。第2号墳と名付けた横穴は、盗掘からまぬがれ、棺座と考えられる施設や出土品として、須恵器26点、土師器1点、鉄鏃1点が発見された。2点の杯身の中には、アワビ貝の破片が認められ、供物の内容が判明する貴重な資料である。あと5基はいずれも盗掘を受けたものと考えられるが、いずれの横穴も排水のための溝などは認められなかった。調査後8基ともことごとく破壊されてしまったのは惜しまれる。
 検見坂古墳群の円墳や横穴は武者が谷の破壊の教訓から地域住民の深い理解の中で指定された。