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妙楽寺


木造千手観音菩薩立像 1軀


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指 定 所在地 管理者
昭和30.2.2 国指定 小浜市野代 高野山真言宗妙楽寺


 養老3年(719)、僧行基が若狭巡歴のとき、この山に登り、千手千眼の霊像を刻んで岩窟に安置したと伝え、つい先年までは厳重な秘仏で、33年目毎の開扉供養の行なわれるまでは拝めなかった。
 高さ176.3p、正面の本面のほかに両側に大ぶりの脇面をもち、頭上面を合せると、廿四面の千手像として、世に珍らしい実例の一つである。
 像は等身の姿を、桧材の一木で造り、裳裾を高くかかげた着衣の制、台座や光背なども、もっぱら古式による古風な造像であるが、体姿は総じてつつましく、相好も優しく、彫り口もおだやかなあたりをみれば、平安時代も半ばごろ、10〜11世紀の制作であろう。
 このように両脇面をもつ千手観音を、ふつう三面千手と呼び、その古例は9世紀以降間々見出されるが、本像のように、廿四面の形を伝えるものは少ない。