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円照寺


木造大日如来坐像 1軀


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指 定 所在地 管理者
明治34.8.2 国指定 小浜市尾崎 臨済宗南禅寺派円照寺


 この寺は南川の大洪水によって、対岸から現在地に移され円照寺と改め、真言宗より臨済宗に改宗している。
 大日如来坐像は、本堂右側の大日堂に安置されている。本像は高さ251.5pの大作で、12世紀初頭の作である。大日如来は、密教において最高至上の存在とされる両界曼茶羅の主尊で、そのかたちは金剛界は智拳印(胸前において左拳の人差し指を右掌をもって握る)、胎蔵界は法界定印(本像のように結跏趺坐の膝上に左掌を仰けておき、その上に右掌を重ね二大指の先を合せる)を結ぶ二種に分れる。大日如来の姿は如来であるのに髻を結い釧などの飾りをつけ、天衣をまとう菩薩像につくられる。
 本像は、頭の鉢を張って、顎を小さくつくり、体部も両肩を張り、銅を引締めて逆三角形にまとめ、しかも両肘と膝の張りが充分で、全体に安定感のよい造型を示しており、特に面相の伏目の両眼、細い両腕、彫りの浅い衣文の掘り口などに平安末の特色がある。北陸地方では数少ない大日如来像の優品といえよう。
 江戸末期に全身の金箔をあらため、蓮華を除く台座の大部分、光背などを後補している。