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やおひめさん

最終更新日:2023年10月1日

ページID:5289


ふるさとの民話2

やおひめさん

 むかし、若狭の海べの、あるところに高橋ごん太夫という金もちがいた。
 あるとき、ごん太夫の家で宝くらべをした。
 その友だちのひとりが、
「こんどは、わたしの家にきてください。」
と、ある日の夕ぐれ 舟でむかえにきたので、ごん太夫はその舟にのってでかけた。
 

 舟には、うすいきぬのようなものが おおいかぶさって、ふしぎにもその舟は、海水をくぐって はしった。
 舟のついたところは、みたこともない、竜宮城のような、りっぱなやしきだった。
 ごん太夫が、この家のりょうり場をのぞくと、家のものが人魚をりょうりしていた。
 やがて、ごちそうに人魚のやき肉が出てきた。
 ごん太夫は、きみわるくて、人魚の肉には、手をつけず、ほかのごちそうをたべてかえることにした。
 すると、主人はみやげに人魚の肉を、ごん太夫にわたした。
 ごん太夫は、家にたどりつき、もらったみやげを、こっそり 戸だなの上においた。

 ところが、この家のむすめが、そのみやげものを たべた。ひと口たべると、とてもおいしく、ちょっとくい ちょっとくいして、みなたべた。
 それから、このむすめはふしぎになん年たっても、美しいすがたのままで、いつのまにか八百歳までも長生きした。
 むすめは、尼さんになり、日本国中をめぐりあるき、行くさきざきでツバキの木をうえた。
 若狭へかえってみると、とっくに きょうだいや、友だちも死んでいた。
 そこで、さみしくなって 海の近くの寺のそばにある、ほら穴に入った。
 ほら穴の入り口に、白ツバキの木を一本うえ、「ツバキの木がかれたら、私が死んだと思ってください。」
と、いいのこした。
 それからこの場所を、白玉椿とよび、長生きの神さまとして、八百姫さんがまつられた。

八百比丘尼像

小浜市連合婦人会 発行 「ふるさとのえばなし」より


       

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