若狭地方には中世の早い時期に猿楽(能)が存在し、大和猿楽など近畿地方の猿楽芸団とかかわりがありました。四座あったといわれる若狭の猿楽の中で「倉座」が発展し、変遷も経て現在まで続いています。江戸時代には藩主酒井氏の庇護(ひご)を受け、若狭各地の多くの神社には能楽堂が建立され、神事芸能が奉納されてきました。
8月19日に若狭町気山(きやま)〔寺谷〕の宇波西(うわせ)神社では「秋祭り」が行われ、若狭能倉座により「風祈能(かざいのう)」という神事能が奉納されます。台風など嵐を避け無事の収穫、豊穣を祈願され舞われています。