中名田地区の松上げは和多田区・上田区・下田区の南川支流の田村川河川敷において、8月下旬から9月上旬にかけて行われる、「火まつり」のひとつです。
15m~25mの柱の先端に、モジと呼ばれる竹の籠枠や添え木や藁で作った逆円錐型の火受けを取付け、河原に立てます。そのモジに向けて、点火した松のジンをハンマー状にしたものを振り回し、投げ上げて点火を競います。
由来については、大別すると、京都の愛宕山で行なわれる火まつりを取りいれたという説と、盂蘭盆の送り火が遊戯化したという説があります。また、「今年も無事に火が点いたから豊作だ」と言いながら帰る人も多いので、作占の意味も加わっているように思えます。京都愛宕神社から若狭にかけては、「松上げの道」と例えられるほど行事が伝承されており、鯖街道を通じた京都と若狭の関係を示す行事です。