文化財情報

十善の森古墳

記念物(史跡) / 若狭町 / 【構成文化財】上中古墳群

天徳寺字森の下にあり、国道27号線に沿って、ほぼ東西に横たわっています。全長は約68m、後円部経約46mと推定されますが、旧国道拡張によってかなり削り取られています。前方部の幅は後円部よりかなり広く、末端において約50mと計測されます。高さは前方部後円部ともほとんど同位で、水田面から8m余りを示しています。段築については三段構成であると考えられ、周濠も存在しています。埴輪、葺石は共に残片の出土から確認できます。
 この古墳の特異な点は、前方部にも後円部にも横穴式石室があることです。後円部の石室は中心部より、やや南よりに見出され、南に開口していました。羨道(せんどう)と玄室(げんしつ)の区別が無く、長さ6.45mです。入口を大きな自然石で塞いでいます。前方部後円部共に壁面には赤色顔料が塗布されています。
 出土品の主なものは、豊富な玉類と中国製の流雲文方格規矩四神鏡、金銅製冠、武器、馬具など多数出土されたのが注目されます。
 この古墳の築造年代は古墳後期初頭と推定され、半島文化の移入や、古墳変遷を究明する上で貴重な存在と思われ、昭和60年にほぼ復元されました。
 特記すべき事項として本墳の横穴式石室は、北陸最古のものとして貴重な存在であることが調査の結果判明しています。
 6世紀初め(古墳時代後期)。福井県指定史跡。

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