文化財情報

瓜割の滝

記念物(名勝) / 若狭町

天徳寺境内の奥に、山あいの岩間から湧き出る清泉があります。宝暦10年(1760)著述の「拾椎雑話(しゅうすいざつわ)」に、「ここを水の森という。夏には甚だ冷たくて氷のごとく、瓜をひやしておけば自然に割れてしまうので、俗に瓜割の水と呼ぶ」と説明されています。
 さらに古く元禄6年(1693)頃に書かれた「若狭郡県志」にも、この「水ノ森」の記載があるので、昔から遠近に知られた名勝であったことがわかる。昭和60年1月、環境庁は全国名水百選の一つとしてここを指定しました。
 この瓜割の泉は、村に伝わる「縁記」によれば、泰澄大師の昔から神泉と尊ばれ、五穀成熟・諸病退散の霊験ありと信じられてきました。また、古くから修験者の修行地として神聖な地とされ、不動明王像(鎌倉時代・若狭町指定)が祀られています。
 近年、その水中の赤い石には、この水質でのみ育成する、珍しい紅藻類(ヒルデンブリンチアリブラリス)が繁殖していることが解明されました。

Photo1


小浜市・若狭町日本遺産活用推進協議会福井県小浜市若狭町

Copyright© 小浜市・若狭町日本遺産活用推進協議会 All Rights Reserved.