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指 定 |
所在地 |
管理者 |
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平成26.6.20 市指定 |
小浜市小浜住吉18 |
小浜市 |
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港町として栄えた小浜は、多くの芸能娯楽文化を生んだ。江戸時代の初めには、遠敷舞々村の幸福座が藩から認められており、また、小浜の三つ松座という芝居一座は、小浜町の西はずれの芝居小屋で興行するとともに、他国から来る芸人の興行権も持っていた。その他、能は各社寺で若狭能倉座が興行しており、江戸時代の終わりには魚屋町(塩竃区)の偕楽庵能舞台においても、度々能や狂言が行われていた。
明治時代以後、昭和にかけて三つ松座を受け継ぐ八菱座(小浜公園)や、偕楽庵を受けつぐ快楽座などともに、西津の帝国座や西津劇場、小浜駅前の小浜劇場や帝国劇場などが、映画上映も可能な多目的劇場として相次いで設立された。
しかし、全国に3000を超える数があったといわれる芝居小屋も、現在30数か所しか残っていない。小浜住吉の旭座もその一つで、小浜のみならず県内に残る唯一の近代芝居小屋である。特徴的なのは建築の年代が明らかとなっていることで、残存する明治44年(1911)正月の興行ちらし口上に「劇場中絶以来苦労の末、昨年に新築落成し、ようやく元旦より初興行」ということが記されており、その歴史を知ることができる。
建物の構造については、キングポストトラスの小屋組で屋根を支えていることが特徴で、このことからも明治時代後期に建設されたことが分かる。また、軸組みや痕跡が良好に残っており、規模は小さいが、復原が可能な建物として貴重である。
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