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田烏


へしこ・なれずしの製作技法

写真:麹入れ
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指 定 所在地 管理者
平成25.3.21 市指定 小浜市田烏 田烏さばへしこなれずしの会


 日本の発酵食品の歴史は古く、現在でも醤油・味噌・納豆など身近なところに存在する。特にスシについては、古代から塩や麹による魚類の保存方法として用いられており、現在も琵琶湖の鮒スシや山間部の鮎スシなど、全国的にも珍味として伝承されており、現在の「握りスシ」と区別し一般には「なれずし」と呼ばれる。御食国と呼ばれた奈良時代には、若狭からは鯛などの魚介がスシとして平城京まで運ばれていることが木簡などからも明らかとなっている。
 一方、へしこについては塩や糠を用いた保存食で、北陸地方では江戸時代中期にはその技法があったことが伝わっている。鯖が有名であるが、鰯やふぐ、イカなどでも行うところがある。
 小浜のなれずしは、へしこから漬け込むところに大きな特徴がある。このことから古代からの技法伝承ではないものの、うまみを引き出す技法の転化として注目されよう。いずれにしても、古代からの食文化を鯖街道の起点として発展させ、今も食のまち小浜を代表する一品の製作技法として貴重である。