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小浜市


木造役行者像 1躯

写真:木造役行者像
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指 定 所在地 管理者
平成25.3.21 市指定 小浜市下根来 小浜市


 役行者(えんのぎょうじゃ)(役小角(えんのおづぬ)・神変大菩薩(じんべんだいぼさつ))は、飛鳥時代の呪術者で、大和葛城山から熊野・大峰で修行をつんだ修験道の祖である。現在でも修験者の修行と信仰の拠点に祀られていることが多く、木像については鎌倉期以降に全国で定型化されながら製作された。
 本像は、古くは小浜の行者講の本尊として神明神社を本拠とした修行の信仰対象であった。江戸時代に入ると小浜白鳥の天台真盛宗極楽寺の一角に設けられた護摩堂本尊として、在家修験者の拠点となって存続していたが、平成に入り護摩堂を解体するに至り、現在は若州修験道が出仕するお水送りとも関連し、白石の小浜市鵜の瀬資料館で保管展示されている。
 本像は定型化されていく像様や構造から、室町時代に造像されたものと思われる。針葉樹の寄木造りで、像高93cmを測る。小浜における木造の遺品は少なく、かつ保存状態のよい像であるとともに、若狭の天台真言密教の神仏習合から、それを継承しながら受け入れていった修験道の歴史を示す貴重な資料といえる。