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飯盛寺


木造薬師如来坐像 1躯 附 像内納入品




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指 定 所在地 管理者
平成24.2.22 市指定 小浜市法海 高野山真言宗飯盛寺


 飯盛山の北中腹にある高野山真言宗の本堂には、秘仏として本尊薬師如来坐像が厨子に安置されている。寺伝では中興の祖である覚能法印が吉野より本尊を請来したことが記されている。
 薬師如来は像高41.0pで彩色された坐像である。桧材による寄木造りで、体幹部を6材で矧ぎ、膝前に2材を矧ぐ。頭部は前後矧ぎの上、後頭部に2材を加える。玉眼で白毫・肉髪朱に水晶を入れ、螺髪を彫り出す。
 平成6年からの本堂解体修理にあたり本像の調査を実施したところ、像内から永徳元年(1381)の年号のある願文をはじめ、経巻・写経・摺仏・香木などとともに、当時の中国銭が見つかった。貨幣は至道元宝・景祐元宝・至和通宝・紹聖元宝・聖宗元宝・正隆元宝で、10世紀から12世紀(宋〜南宋時代)に日本に輸入されたものである。
 以上のことから、現在地に飯盛寺として中興されてまもなく造営された像であることが年号などで明らかであり、市内における南北朝時代の造像を知る上で貴重な仏像である。さらに市内の仏像で胎内納入の事例が明らかになっているものも少ないため貴重な文化財ということができる。