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極楽寺


絹本著色愛染明王像 1幅


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指 定 所在地 管理者
平成19.4.16 市指定 小浜市白鳥 天台真盛宗極楽寺


 愛染明王は、増益、息災、延命、敬愛、調伏を司る修法の本尊とされ、肉身朱色で獅子冠を被り、六臂を有する忿怒相に表される。日本の密教においては、不動明王とともに数多く制作された明王像の一尊で、衆生の愛欲を悟りへと導く尊格として広く信仰されてきた。
 本図は画面に横折れが見られる程度で、補彩や補絹などは見当たらず、保存状態はきわめて良好である。ただ本図は小幅であり、像もこじんまりとまとまっており、膝の張りが抑えられる点、形式化した着衣の金泥文様など、室町仏画の特徴が窺われる。上記した作風や絹地から、本図は室町時代後期、16世紀の制作と判断される。
 愛染明王像としては古い遺品とは言い難いが、小浜市内に残る遺品では、鎌倉後期の万徳寺本に次ぐ作例となる。天台真盛宗極楽寺は、こうした中世後期の密教絵画がまとまって伝来する。万徳寺や羽賀寺と同様きわめて貴重なことと言えよう。