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萬徳寺


絹本著色両界曼荼羅図


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指 定 所在地 管理者
平成18.4.13 市指定 小浜市金屋 萬徳寺


 やや目の粗い絵絹を用い、胎蔵界と金剛界とをそれぞれ一幅づつに描いた両界曼荼羅図である。色調や素材からみて、もともと一対であったとみなされる。諸尊は基本的に仏画の伝統的な工程、すなわち下描き・賦彩・仕上げ(描き起こし)という手順に従って描写され、背地には必要に応じて截金(きりかね)文様があしらわれている。
 胎蔵界は、中央部の中台八葉院(ちゅうだいはちよういん)諸尊と虚空蔵院(こくうぞういん)左端の千手観音などの主要な尊像のみ金泥身とし、それ以外のほとんどの諸尊は白肉色で表わされる。
 金剛界は、九会からなる通常の構成のものである。こちらは諸尊をすべて白肉色とし、赤茶線で描き起こす。背地の文様は截金だが、諸所の界線や諸尊の月輪・光背も截金線で表わすなど、技法的にはていねいである。
 絹地や様式から室町時代中期、十五世紀の作例と判断される。