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指 定 |
所在地 |
管理者 |
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平成9.3.25 市指定 |
小浜市飯盛 |
高野山真言宗飯盛寺 |
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本像は飯盛寺の本堂に本尊木造薬師如来立像(鎌倉時代後期)の右脇に安置されている。同寺の縁起には中興の祖覚能法師が吉野より本像を請来したと言われ、飯盛寺には二体の本尊があったことが知られている。
全体の構造は、頭体幹部は木芯を含む桧の縦一材から彫り出し、内刳りを全く施さず、頭上の十面はホゾ指しとする。真手は臂(ひじ)で矧ぎ臂に宝鉢手を矧いでいる。脇手は殆どが桧の剥材から削り出して両肩にカスガイで止めている。
各部位の表現は、頭部は目鼻を平面的に彫り出し、目は彫眼としている。胸や腰には十分な厚みをもたせ、下腹部をやや張り出させている。条帛を懸け天衣や裳には彫りの浅い幅広の衣文刻む。頭上の十面、脇手および持物は殆ど後補であるが、若干当初のものも残存している。光背は板光背とし、台座は蓮肉を一材から彫り出している。彩色は殆ど剥落しているが、部分的には素地に墨線と古い彩色の痕跡が見られる。
総じて全身に後世の補修が少なく、顔面・頭体幹部は造像時の形状を良く保っており、小柄ながら均整の取れた千手観音立像である。また、隣接する大飯町の意足寺本尊の千手観音立像に全体の表現が近いことから、若狭地方の作と考えられる。
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