

|
指 定 |
所在地 |
管理者 |
|
平成14.6.26 登録 |
小浜市遠敷2丁目104 |
福井県教育委員会 |
|
本件は、鳥浜貝塚から出土した縄文時代の一括資料である。鳥浜貝塚は、福井県三方郡三方町鳥浜に所在し、三方湖に注ぐ鰣川と高瀬川の合流点付近に広がる低湿地遺跡である。本件は鰣川の河川改修事業に伴う事前調査で検出された遺物のうち、昭和50年(第4次調査)の遺物を中心に、一部昭和55年(第5次調査)、昭和60年(第10次調査)の遺物を含むものである。
調査の結果,遺物包含層は海抜-1m〜-3mの深部にまで貝層を伴いながら数十層に亘り堆積していた。本件を構成する遺物は、その出土層位から縄文時代草創期に属するもの(下層出土)と、縄文時代前期に属するもの(上層出土)に大別される。前者は、縄文時代開始期の土器242点と、局部磨製石斧や石鏃・削器・石錘などの石器84点、尖頭状の木製品と二本撚りの縄残欠各1点で構成される。
後者は土器・土製品127点、石器・石製品489点、骨角牙貝製品263点、木製品136点と、縄・編物残欠33点で構成される。
以上本件は低湿地遺跡の特性から、縄文時代草創期と前期の多彩な有機質遺物を含み、縄文人の生活の実態を復元するうえで他に比類のない貴重な資料である。
|
|