若狭小浜のデジタル文化財 TOP 文化財とは デジタル文化財図録 - 用語解説 文化財マップ 小浜の歴史 文化財年表 戻る
奈胡区六斎念仏保存会


奈胡の六斎念仏






<IMG src="map/416.png" width="250" height="200">
指 定 所在地 管理者
平成12.3.21 県指定 小浜市奈胡 奈胡区六斎念仏保存会


 小浜市奈胡に伝わる六斎念仏は、奈胡六斎念仏保存会(地区内の壮年有志と子供仲間を主たる構成員とする)により、8月14日の早朝から夕刻にかけて地区の公的行事として執り行われる。
 保存会の一行は申し合わせた時刻に奈胡区公会堂前に集合し、地区決めの墓地(人地蔵前、三界萬霊塔前、卒塔婆を納める所定地前など)を皮切りに、モリノシタと通称している聖地を拝する場所、地区内にある檀家寺(曹洞宗龍雲寺の本堂、位牌堂など)を巡り、続いて地区内の各戸を一軒ずつ軒並み順に回って各仏前(開扉されている仏壇を安置してある部屋)などにおよぶ。
 この六斎念仏では子供仲間が担当するものと、壮年会有志が担当するものがあり、かつ、鉦(3人〜5人)をたたき、締め太鼓をうちながら念仏とサン(和讃)を唱和するにとどまる態様のものと、そのうちの太鼓うちの役割を演ずる者(3人)が一踊りする態様のものとに分けられる。その結果として、コドモナミロクサイ(子供並六斎)、オトナナミロクサイ(大人並六斎)、オトナマイロクサイ(大人舞六斎)の三様のものを伝えている。子供仲間は浴衣を着て帯をしめ草履ばきで臨み、壮年会有志は浴衣に帯をしめ下駄ばきにて臨むとはいえ、各役割を交替しながら続けられるのである。
 ここの六斎念仏は、地区内に疫病が蔓延し多数の犠牲者が出たのを機に、これを鎮めようと山越えの阿納地区に伝わるものを習い覚えて受容したのがことの始まりと伝えている。
 内容においては、若狭地方に現存する六斎念仏の一典型例として貴重である。