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小浜市


岡津製塩遺跡

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指 定 所在地 管理者
昭和54.5.21 国指定 小浜市岡津 小浜市


 近畿自動車道敦賀線小浜西インターから国道27号線を西へ約1qのところ、小浜湾の奥まった所に遺跡は所在する。青戸の入江に面し万葉集の歌枕にもよまれている若狭富士と称せられる青葉山が真正面に写し出される風光明媚な所にある。
 本遺跡は昭和53年と昭和54年に発掘調査を実施した。若狭地方には、土器製塩遺跡が約60ヶ所確認されているが、本遺跡はそれらの中でも、極めて保存の良好なものとして、香川県の喜兵衛島の製塩遺跡と共に国の史跡に指定された(指定範囲4,981u)。
 本遺跡は、古墳時代後期〜奈良時代にかけてのもので、若狭の製塩土器の編年からは、浜禰UB式(岡津式を含む)・船岡式のそれぞれの時期に属する。石を敷きつめた製塩炉跡は、浜禰UB式(1号炉〜4号炉)、船岡式(5号炉〜9号炉)の合計9基検出している。さらに現海岸線より約20m奥に海岸部遺構(護岸)、その東に南北約30m、東西約10mの範囲に性格不明の焼土面が検出されている。古代の土器製塩工房跡の全容を示す遺跡といえる。
 若狭で生産された塩が奈良の都へ税(調塩)として納められていたことは、藤原宮や平城宮出土の若狭からの木簡(荷札)によって証明されている。