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飯盛寺


絹本著色弘法大師画像 1幅


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指 定 所在地 管理者
平成11.4.23 県指定 小浜市法海 高野山真言宗飯盛寺


 本画像は真如親王の真筆と伝え、飯盛寺の寺宝として大切に伝世されてきた。
 真如親王は平城天皇の第3皇子で、薬子の乱(810)に連座のあと空海の弟子になった平安初期の人である。
 いまも高野山御影堂に残される大師像は、真如親王が尊師を謹写した御影といわれ、真言八祖(インドの竜猛・竜智・金剛智・不空・善無畏・中国の一行・恵果・日本の弘法)と称される祖師画像中における大師御影の原像とされている。
 当寺に伝存の画像は大幅(縦142p×横125p)であるが、像容、牀座など原像の古式を忠実に踏襲した鎌倉中期の作品と推定され、その描写も的確で地方における大師画像中の優品といえる。ただ聖画として信仰の対象であるだけに部分的な補修のあともみられるものの概して保存は良好で管理の丹誠が偲ばれる。
 当寺の縁起によれば霊亀養老の開創と伝え、のち後光厳院の勅願に係る七堂伽藍12坊の壮麗に続き、文明16年(1484)3月、一山大炎上の悲運に会してよりの寺運の衰頽を説くが、なお什物として「大師御影 真如親王真筆」の伝世を記している。この文明大火による大師御影の焼失に関し、同年6月重ねて高野山より御影を移して安置した事実を語る金剛峰寺南院 長清の書状から、本画像の来歴が一層明らかなものとなった。