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深谷区他


地の神講の社祠 1件10ヶ所


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指 定 所在地 管理者
平成5.3.26 市指定 小浜市深谷ほか 深谷区民


 地の神講とは、霜月23日に株の家々が寄り集まって、地の神の祭を営む講のことで、市内では中名田地区の上田、下田、和多田、深野、深谷の5区に限られ、池田株、杉山株、大道株、大江株、木崎株、芝株、大岸・坂下株、西本・東・橋本株、大下株、村上株の十株がある。
 地の神の社祠は、すべて株親または株内の所有地にあって、御幣・丸石・神札等を神体とするが、その9株は、一間社流見世棚造の小祠で、うち7株は覆屋で保護されている。他の1株は「モリ」と呼ばれる樹叢中の巨岩(磐座)を神体とし、社祠はない。社地の傍に「神様の拝木」と称される聖木があるのは2株で、椿と榊である。社地は9株が山麓で、1株は集落内の平地にある。
 お講は、旧暦11月23日で、名田庄村三重のニジュウソのお講、大飯町大島のニソの講(22日夜共饌。23日直会式と古式を継承)は、今も旧暦の同日である。
 神事は、年当番が神酒・ボタモチ・雑魚などを供え、藁で火を焚き、大声で「オーイ」と呼んで神を招くが、他の講員はボタモチを持って参詣し、神事が終わると当番の家でお講(直会式)となる。
 講の構成は、同姓単独、異姓複合ともに5講で、講の席次は殆どが年齢順、会費は均等拠出制。当番は一巡するまで当たらない輪番頭屋制など近代化が進んでいる。
 地の神の神格は、ムラの草分け、名の開発遠祖、遠祖が奉斎した氏神・勧請神。また、神霊に昇華した祖霊を含めて祭神化した屋敷神の拡大、即ち「一族氏神」であり、守護の範囲もまた、その祭祀者たる株内に限られる。