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永福庵


瑞方面山述賛永平正法眼蔵 6冊 附拾遺永平正法眼蔵 4冊


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指 定 所在地 管理者
昭和43.1.19 市指定 小浜市奥田縄 曹洞宗永福庵


 奥田繩の永福庵といえば、面山禅師ゆかりの寺として、飛瀑とともに有名である。
 面山禅師は、肥後熊本に生れた禅僧で、江戸時代における禅学の研究者としてその右に出るものはない。殊に永平寺開山道元禅師の著述『正法眼蔵』の研究に専念した。
 面山は正徳元年(1711)若狭小浜の地を始めて踏んだ。それから京・鎌倉・江戸・奥州・九州を行脚すること18年、再び若狭空印寺に入って、年来の学問を総合整理して著述に日をゆだねるようになった。そして松永東郷上野に庵を結んで世を避け、尚も著述に専念したのであった。松永上野にその遺跡がある。今の永福庵は明治に入り、ここから奥田繩に移転されたものである。
 今の永福庵には、面山の真蹟が多く残されている。中でも求めてやまなかった祖師の正法眼蔵に関する研究が最も尊いものであって、道元の高弟懐奘の筆録した『永平正法眼蔵』および『拾遺永平正法眼蔵』の各巻に、面山みずから筆をとり、述賛として書き記したものが遺されている。法量は縦33p×横23p美濃判で、前者6冊、後者は4冊として帙(チツ・書物を包むもの)に入れ、更に桐箱に収めて伝えられている。
 述とは祖師の言を簡略に祖述し、賛はそれに明弁諭賛を加えたものである。