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高成寺


紙本墨書履践集 1冊


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指 定 所在地 管理者
大正3.4.17 国指定 小浜市青井 臨済宗南禅寺派高成寺


 桐箱に収められた履践集は、極めて大きな和綴の紙本墨書である。
 この履践集を書き遺した僧は、いうまでもなく安国高成寺開山大年和尚で伊予の人である。
 大年は、わが国に渡来帰化した元僧竺仙が鎌倉浄妙寺に在るとき、これに参禅して、ついに三宝を相伝するの印可を得たのであった。大年和尚には足利尊氏も帰依し、若狭安国寺創建の際に尊氏は大年を開山としたのである。
 この書は、南北両朝の争乱はげしかった観応2年(1351)に書かれたもので、当山寺僧の遵守すべき規律規準を示し、かつ禅僧生活を赤裸々に語る貴重な文献でもある。
 大年和尚終焉の前年に、後住の為に残された「法延置文」の峻厳さと比べて、思い半ばにすぎるものがある。