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高成寺


紙本墨書印可状 1幅


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指 定 所在地 管理者
大正3.4.17 国指定 小浜市青井 臨済宗南禅寺派高成寺


 印可とは、許可する、承認するの意である。仏師僧が弟子に悟道の熟達を証明するのに、この用語が用いられる。またしばしば武術や芸道の皆伝免許についてもこの語が使われている。
 この印可状は、建武4年(1337)12月12日に、安国高成寺開山である大年和尚に、その師匠である竺仙梵僊が与えたものである。
 この書の体裁は紙本墨書で、法量は縦33p×横95pである。
 梵僊は、字を竺仙といい、元時代の禅僧である。彼は古林清茂に師事し、学徳を積んで我が国に渡ってきた。時の執権北条氏は鎌倉に迎えて、浄妙寺に法を説かしめた。その後、足利尊氏も篤く竺仙に帰依した。
 弟子大年和尚は、師竺仙の鎌倉浄妙寺に在るとき、しばしば訪れて仏教哲理であるいわゆる道念について教えを受け、確固不抜の勉学ができたものと認められた。この事は印可状の冒頭に述べられている。そして自他相許して悟道に入り、竺仙の香を引き続き焚く者は法延であるとし、恭しく三宝証明としてこの書を為すと結んでいる。
 鎌倉末期より大陸の禅僧渡来すること多く竺仙もその傑僧の1人として名高い。また、彼は書にも秀いで、その墨蹟は紙本墨書として重要文化財に指定され、京都大通院に保存されている国指定の印可状は都合5書ある。