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指 定 |
所在地 |
管理者 |
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平成8.5.31 県指定 |
小浜市青井 |
臨済宗南禅寺派高成寺 |
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菩提達磨は禅宗六祖(達磨・慧可・僧璨・道信・弘忍・慧能)の第一祖と仰がれ、贈名を円覚大師と言い、中国の禅法の礎を築いた人とされる。生まれは印度の国王の子と言われ、後、中国に渡り嵩山少林寺にて禅の布教を行なった。とりわけ達磨は面壁九年の厳しい修行により手足が朽ちたと言われ、慧可も自からの腕を切り落とすことでようやく入門が許されたことなど、これらの故事に基づく禅画も少なくない。
日本へ伝わった禅は六祖慧能によって始められた南宗禅から出た臨済禅・曹洞禅の系統につながるものである。これによって達磨及び五祖も日本で禅の開祖として崇められるようになったと考えられる。
本図は僧形の肖像であるが、頭から遠山文様の衲衣を被ってわずかに顔と胸を出して禅定印を結び曲彔に坐る姿に描かれている。向かって右上に「初祖菩提達磨」の外題がある所から達磨であることが知れる。
制作は南北朝時代と考えられ、初祖と断る所から六祖が同様に描かれていた可能性をもうかがわせている。
本図に使用された画絹は一幅一鋪(一枚の絵を一枚の絹に描くこと)で、法量は縦220.6p×横124.1pと大きなものである。この絹は目が緻密で幅が広いなどの特徴から舶載と言われているが、絵は請来された宋元画を写したものと考えられ、衣文の扱いもやや形式化が認められる。
当寺は竺仙梵僊(元からの渡来僧)の法弟大年法延の開山となる所から、他にも大陸色の濃い文化財を伝えており、本図もまたその貴重な一幅と考えられる。
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