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本境寺


絹本著色十界勧請大曼荼羅図(朗源銘) 1幅


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指 定 所在地 管理者
平成11.4.23 県指定 小浜市竜田 日蓮宗本境寺


 本境寺には朗源曼荼羅と呼ばれる大曼荼羅が2幅伝来する。本画像は縦77.1p×横41.6pで茶地に彩色され落ちついた配色の画像である。画様は金泥で、画面中央に法華名号(題目)を大書きし、天蓋、蓮台を添え、左右に彩色の四天王を配するだけでなく、天台宗や神道と深いつながりのある法華宗の守護神、鬼子母神、十羅刹女や八幡神、天照大神を奉る型式のいわゆる絵曼荼羅である。
 本画像で最も注目されるのは、日蓮宗四祖師(日蓮、日朗、日像、妙実〈大覚〉)各上人を肖像として画き、中央下段に朗源の署名と花押を自署することである。これは朗源がこの画像を開眼したことを示すもので、この署名をもって五祖とするのである。また絵本尊には画中に応安元年(1368)の紀年銘があり、制作年代がはっきりする。
 本来この画像は京都の本山に保管されるべきものであるが、叡山による嘉慶元年(1387)の妙顕寺破却や天文法華の乱(天文5年・1536)による本隆寺破却などに際して若狭小浜に難を避け、そのまま当寺に伝来したとも考えられる。現在、日蓮宗にかかわる仏画が数少ない中で、きわめて保存のよい画像である。