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指 定 |
管理者 |
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平成26.9.6 国指定 |
福井県 |
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南蛮屏風には風俗絵南蛮屏風と南蛮屏風地図とがあるが、この南蛮屏風は後者に属する。そして地図としてよりも室内装飾用の調度としての用途をもって製作されているものとうかがえる。
その形態は八曲一双であり、色彩豊かな絵画的な金屏風である。法量は各117.0p×375.3pである。
日本図は八曲全面に描かれ、九州、四国、中国から関西方面の海岸線はかなり現実的に描かれ、長崎、名越の地名も記入されている(博多の部分は小破して見えない)。これに比して東北、北海道地方の海岸線は多少現実にそわない。
また世界図は中央四曲に楕円形に区切って描かれ、左右両面はあけてただ金箔だけを埋め、赤道は1経度に目盛し、さらに10度毎に赤線で区画してあるなど、巧緻精彩なものである。一双をなしながらも補足的に付加された日本図屏風に較べ、室内装飾的効果の著しい世界図屏風は、より華麗なものである。
中村拓氏著『南蛮屏風世界図の研究』(キリシタン研究第九輯)によると、わが国内に現存するこの種の南蛮屏風は、世界図としては正味20点、日本図として正味13点。その多くは江戸時代の作とみられ、江戸時代以前の作とみられるのは僅かに4点に過ぎず、この南蛮屏風もその一つである。
その来歴はわからないが、所有者の先祖が塩釜地区で船問屋をしている頃入手されたものと伝えられている。
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