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羽賀寺


絹本著色五大明王像 5幀


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指 定 所在地 管理者
平成15.4.18 県指定 小浜市羽賀 高野山真言宗羽賀寺


 五大明王は、降三世明王、大威徳明王、軍荼利明王、金剛夜叉明王とその主尊不動明王を含めたものである。
 本像は現在屏風に貼られるが、本来は掛幅であった。
 不動明王は、両眼を見開き、青肉身として右手に剣、左手に索を持ち、海中の岩山に立つ。その眷属である矜羯羅童子は、蓮華を掲げ、制多迦童子は金剛棒を突き従う。
 四大明王は、大自在天とその妃鳥摩を踏む四面八臂の降三世明王、一面八臂の軍荼利明王、六面六臂六足で水牛の背に載る大威徳明王、一面五眼で三面六臂の金剛夜叉明王であり、大威徳は氍毹座とし他は踏割蓮華座上に立つ。
 各明王はいずれも退色・剥落しているが、元は緑青身に濃い隈取があり、切金・金泥を一切用いず、不動は金具を朱線で輪郭し、四明王は黄土に墨線の輪郭を行う。
 不動の図像は、9世紀に僧安然が列挙した不動十九観の一つに基づくが、本不動を含めて五大明王全てに描法や色彩に特異な点が見られるなど形式化が認められる。
 五大明王は、鎮護国家的色彩の強い像で、特に五大明王と十二天の一具は、宮中後七日御修法において五体安穏・鎮護国家を祈願された経緯が知られることなどから、勅願寺である羽賀寺の一具も、同様の性格を帯びて奉献されたことが窺える。若狭では、後陽成天皇勅筆の宸翰縁起を伝える同寺以外に、これらの一具を備えた寺院はない。不動図像は、縦128.4p×横65.4p、四大明王は、各縦99.5p。横39. 5pで、掛幅装仕立のまま貼り込まれる。(写真は金剛夜叉明王)