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指 定 |
所在地 |
管理者 |
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平成15.4.18 県指定 |
小浜市羽賀 |
高野山真言宗羽賀寺 |
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古くから釈迦が亡くなった日である涅槃会(常落会)には、各地で涅槃図を祀った法要が行なわれて来た。
涅槃図は、釈迦の下天から入滅までの八相の事蹟の中の涅槃(入滅)を主題とした画像で、成道後45年間の説法を終え病を得た釈迦が、沙羅双樹の下に牀座(寝台)を設けさせ、静かに臨終の時を迎えられる情景を描写する。
本図は、右手を枕にして頭北面西とし、両足を揃えて寝台に横臥する釈迦を描きだす、鎌倉時代以降に流布する第二形式によって描かれた涅槃図である。
これを取り巻いて、釈迦の入滅を冷静に見守る菩薩や悲嘆に暮れる十大弟子、禽獣たち多数を精緻に表現する。
また、画面左上に天上から阿那律に導かれて降下する摩耶夫人を描き、釈迦の足には毘舎離城の老女が手をかけている。会衆の中でも阿難が倒れ、一比丘が水を注ぐ場面も有名で、沙羅樹の背後には波荒い熙連河が流れ、群青の虚空には満月が白く描き出されている。
釈尊は、金泥身とし、衣文は金泥彩に切金文様を多用する。菩薩は、白肉色身を朱線で輪郭し、羅漢等大衆は、肉色身を朱墨線で縁取る。着衣などの文様には、金泥の盛上彩色を用い巧みに表現するなど、全体として誇張の余りない穏やかな画趣に仕上げられている。
本図は、縦164.0p×横118.0p、涅槃図に大幅の多い中、三幅の絵絹を横に綴った比較的小型の画面に描かれ、上記の特徴や、全体に形式化して表現が穏やかとなることなどから、南北朝時代の制作と判断されている。
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