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羽賀寺


木造地蔵菩薩坐像 1軀


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指 定 所在地 管理者
昭和54.2.6 県指定 小浜市羽賀 高野山真言宗羽賀寺


 重要文化財の羽賀寺本堂内陣、須弥壇下の右脇に地蔵菩薩像が安置されている。
 寺伝によれば、古くはこの本堂の附近にあった地蔵堂にまつられ、当地方衆人の信仰をあつめた地蔵菩薩である。寄木造りで、像高135.7p、膝張り112p、半丈六の坐像である。形姿は声聞形で宝珠と錫杖を持つ像であると思うが、現在は左手に宝珠を持つのみで、右手はかなり損傷し持物も不明である。
 この像の構造は、頭と体部の前半部を、二材の縦木を中央で矧ぎよせて造り、両肩、膝前部をはじめ数多くの材を縦横に矧ぎよせてつくっている。平安後期(12世紀)頃の作とみられる温和な作風である。丸くて大きな頭部、量感豊かな堂々たる体をそなえていて、威厳に満ち、豊満ななかに温みを感じさせる、細く優しい眉目、薄く紅を残した唇など、全体的にみて女性的な感じがある。
 もともと彩色がほどこされていたものであるが、今は殆ど剥落して素地を露出し、矧ぎよせた箇所もはなれた所が多く、かなり損傷しているのが惜しまれる。
 須弥壇左脇にも、像高100p、鎌倉時代の作と伝えられる地蔵菩薩が安置されている。