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久須夜神社


久須夜神社社叢


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指 定 所在地 管理者
昭和63.1.21 市指定 小浜市堅海 久須夜神社


 風光明媚な堅海の里に鎮まる久須夜神社は、延喜式神名帳(撰進927)所載の古社で、鎌倉時代には若狭国鎮守大明神十社の一つに列して崇敬され、文永2年(1265)の当国惣田数帳写には「久須夜宮壱町 堅海村」とある。
 当社の初現は定かでないが、久須夜ヶ岳の山腹、エンゼルラインに沿って聳立する巨巌「大神岩」(狼岩)は、祭神(大己貴神)降臨の磐座と伝え、この辺りから山麓の現社地を含む一帯を「烏帽子の森」と称し、古来より堅く不浄を禁じているが、壮厳な神域を形成する見事な社叢の存在もこうした厳しい禁忌と篤い信仰の所産である。
 長い参道の両側には、スギが植栽されているが、その中には、ケヤキ、ムクロジ、イヌマキなどが混生し、境内社を配する本殿右側の山麓は、スダジイ、ヤブツバキ、カナワラビの群落で、シイの巨木と、カナワラビの調和が見事である。古代祭祀遺跡を連想させる本殿背後はヤブツバキ、タブノキの群落であるが、その第一層(高木層)には、タブノキ、スダジイ、ケヤキの巨樹が、第二層(亜高木層)には、ヤブツバキ、ケヤキ、シカラシ、ウラジロガシが、第三層(低木層)には、ヤブツバキ、イヌマキ、タブノキ、アオキなどが生え、林床には、カナワラビ、リョウメンシダ、アオキなどがみられる。
 特に本社叢中に散見されるイヌマキは日本の植物分布上の北東限にあたっている。
 市域には、他に若狭姫神社の社叢等があり、当地方の自然を観察する上で貴重なものである。