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指 定 |
所在地 |
管理者 |
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昭和63.1.21 市指定 |
小浜市加茂 |
加茂神社 |
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完治4年(1090)朝廷の寄進により、賀茂別雷神社(上賀茂神社)の社領として立庄した宮河庄(賀茂庄)、加茂の里に鎮まる加茂神社は地方の大社で、鎌倉時代には若狭国鎮守大明神十社の一つに列し「賀茂下上大明神」と崇拝された社である。この「賀茂下上」とは立庄後、本社、上賀茂神社の神霊を分遷して建営の社(現、加茂神社)を下宮とし、その前方「森の宮」のうっそうたる樹叢中に、古代祭祀の姿を止める「神籬、磐境」を先住神、上宮として一社二宮の制をとったものである。
この「神籬、磐境」(磯城神籬)は厳重な禁足地で、横幅4.5m、総縦長さ6mの長方形を自然石の数段組で囲繞し、前面の井垣を配する供献台の奥行は1.6mで、供献台の内部のみ盛土するが、神地は盛土なく椿、榊などが神籬として群生し、正中線は真南を指向する。付属施設は鳥居と石灯篭各一基の献備である。
この社叢中には毎年の旧暦1月16日に「上宮神事」として斎行される年占の種物を埋納する聖処がある。
社叢はこの神地を中心に、第一層(高木層)には、タブノキ、スダジイ、スギ、ムクノキ。第二層(亜高木層)には、ヤブツバキ、タブノキ、カゴノキ。第三層(低木層)には、ヤブツバキ、アオキ、ハイイヌガヤなどが生え、林床には、フユイチゴ、ヤブラン、ベニシダ、オニカナワラビ、イノデなどの植物がみられる。
本社叢は他の指定社叢に比べ、規模の小さい難点はあるが、老樹巨木の覆う鎮守の社と、稀有の遺例ともいえる古代神社が、ともに原形を止めるところに貴重な価値があり、永く保存して子孫に伝えたいものである。
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