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池河内区


三番の滝


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指 定 所在地 管理者
平成4.2.26 市指定 小浜市池河内 池河内区


 池河内集落から松永川上流に遡ること約4q。林道から狭い坂路を渓谷に下ると、当国第一の瀑布と称される三番滝がある。
 『松永村誌』は古書を引用して「三の滝、池河内村にあり。この滝一、二、三と号す。(中略)一の滝壷は、銚子の口径およそ二尺ばかり、流水満溢して二の滝に流落す。三の滝より二の滝壷に至るおよそ十三間、恰も白布を引くが如し、この滝壷の径およそ二間余り、(中略)一の滝に至るに、その間およそ二・三町、その流水たとえば芒の穂に似て風に靡き一の滝に入る。この所に坂路ありてその直下なり。土人の言に旱魃の歳、明通寺の僧ここに至り、三の滝に向う石に飛遷って加持祈祷すれば雨忽ちに降り霊雲云々」と記し、また、「三番の滝は松永川の水源にして(中略)三箇連続の滝をなす。故にこの名あり。而して二の滝最も美観にして直落九十尺、水流多き時は三流に岐れ幅十二尺あり。盛夏の候、この地に逍遙すれば涼気身に迫り、四山の風光画幅を展べたるが如く、真に仙境に遊ぶの感あり。幕末の頃、二の滝に不動尊像を安置し、陰暦八月二十八日例祭を行う。かかる神域の故に不浄物を滝壷に投入すれば、忽ち天地晦冥、大暴風雨を起すという」と述べて、その神異と景勝の美を讃えている。
 この名瀑も、昭和28年(1953)13号台風の災禍を蒙り、特に三の滝は甚だしく景観を損じたとされ、前記の不動尊像も今は旧跡を拝するのみであるが、一の滝壷など発達した甌穴をはじめ、当国第一と激賞される霊瀑の風致と景観は、今もなお仙境の観を止めている。