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萬徳寺


絹本著色童子経曼荼羅図 1幅


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指 定 所在地 管理者
昭和53.7.25 県指定 小浜市金屋 高野山真言宗萬徳寺


 童子経曼茶羅は、童子の怖畏疾病を除き、産出児の保命長寿のために修する童子経法の本尊であるが、この経法の本軌たる護諸童子陀羅尼経には曼茶羅を説いていないので古来諸説あり一様ではない。
(1) 栴檀乾闥婆王
      (童子の守護神、四臂不動の化身)
 (2) 不動明王
 (3) 不動と乾闥婆王の両尊
 (4) 梵天、乾闥婆王の両尊
 等あるが、流布の曼茶羅は、中央に大きく師子冠の乾闥婆王が石上に左足を垂れて座し、左手に宝珠、右手に三戟を持って十五鬼の首を貫き、周囲には十五鬼が恐怖相で取り囲む、この鬼神は、牛、獅子、鳩摩羅天、野狐、彌猴、羅、女、馬、婦女、狗、猫、児、鳥、雉、狐、蛇の形をとるものである。
 萬徳寺所蔵のこの童子経曼茶羅は、絹本著色で、縦89p×横37.5p、中央に甲冑形の乾闥婆王が石上に座して左手に宝珠、右手に持つ三戟には十五鬼の首を貫き、周囲には十五鬼神が取り囲む、世間流布の曼茶羅であるが、更に周囲には十五童子が描かれている。製作年代は室町時代を下らぬものと見られ、その描法も鎌倉仏画の格調を保つ貴重な作品である。
 今この種の曼茶羅は極めて珍しく、現存のものでは京都智積院所蔵のものがある。