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妙楽寺


古若狭塗 5点

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指 定 所在地 管理者
平成12.3.21 県指定 小浜市野代 高野山真言宗妙楽寺


  妙楽寺所蔵の什物類として、若狭塗の古いタイプの優品5点があり、次のような品である。

文箱 若ш竕ョ山妙楽寺縁起篋万治四辛丑季六月吉祥日
  院主阿闍梨栄玄(花押)
硯箱 若ш竕ョ山妙楽寺院主阿闍梨栄玄(花押)
  万治四辛丑年六月吉祥日
筆柄 弘法大師御宝前
  延宝四丙辰年 奉寄附自作三大筆同塗塗師三十郎二代
施主若эャ浜富沢町住 市太夫義辰
  五月吉祥日 妙楽寺院主栄玄書之
    宝永元甲申歳
棟札箱 奉寄進弘法大師五筆棟札箱為現世安穏後世浄土也
  九月吉祥日
    若ч燈~郡岩屋山妙楽寺法印覚雄代
    施主小浜富沢町茶屋源右衛門周富欽言
      宝永二乙酉歳
護板木箱 弘法大師御作一寸八分護板木之箱
  宝永二乙酉歳
寄進施主若эャ浜富沢町 右遠敷郡岩屋山妙楽寺什物
茶屋伝右衛門尉周賀    現住法印覚雄代

 それぞれの什物には、寄進者や什物となった年代などの記載が銘記されており興味深い。
 『稚狭考』に「若狭塗といへるは、元来海底を図してぬり砥たるものなり、松浦三十郎是によりて菊塵塗をはしめてぬる。これわかさにぬる所の鼻祖なり。海底塗は津軽の産、(中略)津軽塗といえり……」とあり、その起源の一説をのべている。さらに同書の「元文三年(1738)正月十五日に御札相勤人数」の中に塗師三十郎の名があり、代々三十郎を名乗ったようだ。これらの中で、文箱と筆柄の塗の手法は同一のものであり、『稚狭考』に記載のある塗師三十郎の制作したものと思われる。
 妙楽寺所蔵の若狭塗什物は、江戸時代のものとして、一部は制作者の判明する逸品である。