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円照寺


木造地蔵菩薩立像 1軀


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指 定 所在地 管理者
昭和53.3.17 市指定 小浜市尾崎 臨済宗南禅寺派円照寺


 重要文化財、大日如来坐像・不動明王立像で知られる禅刹、円照寺の本堂須弥壇上に安置されているのが、市指定文化財、地蔵菩薩立像である。
 本像は高さ64.8p、桧材の寄木造、彫眼の地蔵菩薩である。地蔵菩薩はこのように円頂の僧形につくられるのが普通で、右手には錫杖を、左手には摩尼宝珠をのせる。
 円く、円満な面相には、彫りの浅い両眼、小さめの唇を刻み、両肩もまるく、やや撫で肩につくって、いかにもやさしい慈悲の相を示し、平安末期の地蔵として典型的な特色を示している。恐らく12世紀の制作であろう。
 寄木造で、像内も入念に刳っていて、それぞれの部材は薄い。目鼻だちや、衣文の刻みが浅く弱いのはこのような構造のためでもある。
 はじめは極彩色であったものと思われるが、長い年月を経た現在では、ほとんど剥落して、所々に朱や下地の胡粉が残存しているのをみうけられるのみで、全体に素地が露出している。