現代版養生七不可
(福井県小浜市)
小浜市を中心とする若狭地方には、古代より豊富な海産物や塩を都へ送り、朝廷の食文化を支えた「御食国」の歴史があります。
市では、この由緒ある食の歴史と現在も連綿と受け継がれている豊かな食や食文化に着目し、2000年に「食のまちづくり」を開始、特に重要視した食育については、「生涯食育」を標榜し、市民のライフステージに合わせた多様な事業を展開しています。
そして、それらの生涯食育事業には、長い歴史の中で輩出された郷土の偉人、先覚者の教えが根底にあり、特に杉田玄白先生が重要視した「医食同源」の教えや、健康長寿の秘訣として提唱した「養生七不可」の教えについては、その普及に努めているところです。
そのような中、杉田玄白先生が亡くなられて200年にあたる2017年、あらためて、多くの皆様と玄白先生の教えを学ぶため、「現代版養生七不可」を全国公募したところ、1000件を超す応募が寄せられ、素晴らしい作品が決まりました。
この「現代版養生七不可」が、日々の暮らしのありかたを見つめ直す機会となり、より良い暮らしにつながるきっかけとなれば幸いでございます。
杉田玄白(1733~1817)
江戸時代中期の医師・蘭学者です。江戸に生まれ、外科医の父が小浜藩医となったため、8歳のとき小浜に移り、約5年間暮らしました。父のすすめでオランダ医学を学びましたが、江戸小塚原で刑死体の解剖に立ちあった際に、オランダ語訳の解剖書『ターヘルアナトミア』との一致に感激して、翻訳を決心しました。
安永三年(1774)に同書の翻訳書『解体新書』を出版した後も、『養生七不可』という健康長寿のための心得を提唱するなど、様々な功績を残しました。
安永三年(1774)に同書の翻訳書『解体新書』を出版した後も、『養生七不可』という健康長寿のための心得を提唱するなど、様々な功績を残しました。
養生七不可
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一、昨日の非は、恨悔すべからず
(昨日の失敗を悔やまないこと)
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一、明日の是は慮念すべからず
(明日のことは過度に心配しないこと)
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一、飲と食とは度を過ごすべからず
(食べすぎ、飲みすぎに注意すること)
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一、正物に非ざれば、苟も食すべからず
(風変わりなものは食べないこと)
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一、事なき時は薬を服すべからず
(何事もない時は薬を飲まないように)
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一、壮実を頼んで、房を過ごすべからず
(元気だからといって無理をしないこと)
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一、動作を勤めて、安を好むべからず
(楽をせず、適度に運動をすること)
主催:杉田玄白没後200年記念 食と健康づくり実行委員会
(事務局 小浜市企画部食のまちづくり課)
(事務局 小浜市企画部食のまちづくり課)