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指 定 |
所在地 |
管理者 |
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平成9.5.7 国登録 |
小浜市白鳥 |
個人 |
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小浜市街地西部の白鳥区に独特の外観を見せる土蔵が建つ。この建物は小浜藩の御典医を勤めた桑村謙庵が、明治21年(1888)の小浜大火の直後に防火構造を意図して建てたものと伝えられ、棟札により明治22年の上棟であることが知られる。
木造2階建切妻造桟(さん)瓦葺(かわらぶき)のこの土蔵は、桁行(けたゆき)を約9.9m(約33尺)、梁(はり)間(ま)を5.9m(約20尺)とした矩形(くけい)平面である。薬品の製造販売店蔵として使用され、構造や内部・側背面の意匠等は伝統的な土蔵造である。
しかし、通りに面した開口部回り、壁面の一部、左側に続く塀などに煉(れん)瓦(が)が使用されている点にこの土蔵の特異性がある。棟札には大工の庄三郎などのほかに煉瓦工として蔦谷庄八の名が見られ、すでに煉瓦工が一つの職種として成立していた点が建築技術史的にも興味深い。
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